【日本における不妊の現状】


今回は「日本における不妊の現状」についてお話します。
皆さんは不妊症、不妊治療にどんなイメージをもたれていますか?

「不妊治療をすれば子供ができる」「すごくお金がかかる」「人に言うのが恥ずかしい」などさまざまな感じ方があるのではないでしょうか。

現在、日本は世界一の病気大国、不妊大国であると言われています。
厚生労働省のデータによると、実際に不妊を心配したことがある夫婦は35%であり、これは夫婦全体の約2.9組に1組の割合になります。また実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は18.2%であり、これは夫婦全体の約5.5組に1組の割合になります。
現在の日本では不妊治療はとても身近な存在になっているんですね。

その理由は色々ありますが、例をあげると晩婚化(結婚より仕事)や食の環境変化(欧米化、糖質過多、食品添加物、外食増加)、乗り物の発達やIT化などによる運動量の低下(車や電車、PCやスマホ、タブレットの普及)、薬物使用率の増加(頭が痛いとすぐ頭痛薬の飲む、眠れないと睡眠薬を飲む ※薬を否定しているわけではありません)など、これ以外にもさまざまな原因があると言われています。

日本での体外受精の実施件数が45万件を超え世界一です。2018年のデータでは、年間45万4,893件の体外受精が行われ、そのうち5万6,979人の子どもが誕生したようです。
※2012年は約32万6,000件で、3万7,953人の子供が誕生。

一方で体外受精からの出生率は世界で最も低い国となっています。
2012年で11.6%、2018年で12.5%であり、体外受精で妊娠したとしても出産まで辿り着けるのは10%程度と言うことになります。

これが日本における不妊の現状なのです。

日本は世界一の医療技術を誇っており、体外受精の施術件数、出生児数がともに増加傾向です。
今年の4月からは不妊治療も保険適応となり、今後さらに増加することが考えられます。

このこと自体は良いことかもしれませんが、本当にそれだけで問題は解決するのでしょうか。

本当に目を向けないといけないのは、体外受精の成功率の低さなのです。

体外受精をする方はこの間に高い費用と多くの時間、さまざまなストレスや服薬の投与による心身の疲労や健康など多くのものを犠牲にします。

中には「自然妊娠が当たり前」「体外受精なんて」と否定的な考えをもたれている方もいるかもしれません。
ただ晩婚化や働き方が多様化していく中で体外受精というのは1つの選択肢として必要な場合もあると思います。

しかし、この結果からもわかるようにメディカルアプローチだけでは不十分なのです。
妊活をされている方の中には検査では何も異常がないのに妊娠できないという方も多くいます。
このことからも本当に必要なのは「自分の心と身体に向き合う」ことなのではないでしょうか。

私は妊活のゴール=妊娠することではないと考えています。
正しい妊活のゴールは「妊娠すること」ではなく、健康な妊娠、健康な出産、健康な育児を行うこと、そして子どもの未来と健康を守ること、「いのちを繋ぐこと」なのです。

そう考えると生まれた瞬間から「妊活」始まっているのです。

まずは自分自身に向き合い、「心と身体を健康にする」ところから始めてみませんか?